おもちゃの日常

後ろから、奏さんが入ってくる。
目も口もテープでグルグルに巻かれていて、何も見えないし話せない。
時々呻くような声を上げるだけ。

こうやって視界を奪われると奏さんが見えなくて不安で、不安なのに気持ちいい。
奏さんの手がお尻を撫でると、もうそれだけで気持ちいい。
全部全部奏さんでいっぱいにして。

不意に背中に鞭を打たれる。
痛い、痛い、痛くて熱い。
お尻、太もも、最初は痛くてやめてほしくて身をよじるのに、鞭が止まった瞬間物足りなくなる。
やめないで、もっと打ってください。
そう言いたくて声を出すけどやっぱり呻き声にしかならない。
切なくて、打たれた背中が痛くて、テープの隙間から涙が流れる。
そしたら、ああ、また打ってもらえた。
今度は気持ちよくて気持ちよくて、もう何も考えられない。

鞭が止まると、奏さんに突き上げられて。
頭も体も奏さんでいっぱいになって、色んなことがどうでもよくなってくる。
テープを巻かれててよかった。
だって今私、最高にはしたない顔をしてる。
こんなはしたなくてみっともない自分、奏さんに見られたくないから。
ああでも嬉しい、こんなに奏さんでいっぱいになれて幸せ。

痛いのも気持ちいいのも、全部奏さんからほしい。
奏さん以外からはいらない。
Mだなんて言いながら、私はただ最高にわがままなだけかもしれないね。